ハンディタイプの検温機とサーマルカメラを比較中の方へ

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はじめまして。防犯カメラ会社にて技術を担当しています、久田ともうします。

本日は、ラジオやニュースで話題の、サーマルカメラのいろはをお伝え出来ればと思います。まずは、サーマルカメラとは、なにか?というご案内をさせて頂ければと思います。

サーマルカメラとは?

赤外線により熱を検知する機能を搭載したカメラで、人や物の表面温度を即座に計測することが可能です。

平たく言えば、熱がある人を、発見できますよー、と言う特製を持ったカメラです。赤外線を用いて検温する機械には主にサーマルとサーモパイルの2種類があります。

サーマル

非晶質シリコンや酸化バナジウム、チタンなどの材料で作成され、0.3m〜3mくらいの距離でも検温ができます。測温の方法は、物から放出される赤外線を検知して、映像内の赤外線量(温度)の差を用いて熱画像を生成します。

サーモパイル

多結晶シリコン、アルミニウムなどの材料で作成されています。測定の距離は0.2m〜0.5mくらいで、長距離の測定はできません。額体温計や耳式体温計などによく用いられています。測温はゼーベック効果を用いて行われます。ゼーベック効果とは、物の温度差を電圧に直接変換する方法で、検温機内の基準温度Aと、測定する物の温度B、この両方の温度差を電圧に変換して、発生した電圧を計測器で測定して温度表示させています。

検温機のタイプ

一言でサーマルカメラと言っても、検温方法や形も様々あります。以下に4つのタイプと、それぞれの良い点・注意点をご紹介します。

ハンディ型

ハンディサーモパイルイラスト

手に持って、額に近づけてピッと検温するタイプ。最近はあちこちでこのハンディタイプの物を見かけますね。こちらはサーモパイルを用いた検温です。

良いところ

持ち運べる。手軽。安価。

注意点

・検温対象者に近くなければ検温出来ない。(0.5m以内)
・マスク検知などの機能は無い
・検知範囲が狭い
・一人づつしか検温が出来ない
・中期的に運用する場合、発熱者の管理は別途行う必要があります

タブレット型(検温型)

タブレットにサーモパイル機器を接続して、腕をサーモパイル部分にかざして検温する検温器です。こちらの検温器は最近販売がスタートしたようで、まだあまり広まっていません。検温と合わせて顔認証機能も搭載されています。

良いところ

・持ち運びが簡単
・顔認証やマスク検知等の機能を持っていて、マスク未着用や、高温検知時に、音や光で周りに知らせる事が出来る
・誤差+-0.3とサーマルカメラの中では比較的、誤差が少ない
・サーマルカメラの中では安価
・顔を識別する為、録画をすれば、人物の特定が行える
・LANケーブルを繋げば、別室でモニタリングが可能

注意点

・検知範囲が0.3cm〜0.5cmと検温部から近く、接触してしまう恐れがある
・一人づつしか検温が出来ない

タブレット型(検温型)

額検温機器

タブレットにサーマルカメラを接続して、顔と認識されると瞬時に額部分の赤外線放出量を検知して温度表示させます。こちらも腕検温と同様に顔認証機能が搭載されています。

良いところ

・持ち運びが簡単
・顔認証やマスク検知等の機能を持っていて、マスク未着用や、高温検知時に、音や光で周りに知らせる事が出来る
・顔を識別する為、録画をすれば、人物の特定が行える
・LANケーブルを繋げば、別室でモニタリングが可能
・測定範囲が0.3m〜1.8mまであり、機器への接触が無い

注意点

・検知範囲が狭い
・一人づつしか検温が出来ない
・0.3m〜1.8mと検知距離はあるが、その分、近ければ体温は高く表示され、遠ければ低く表示される為、測定位置を絞らなければならない。

カメラ型(常設カメラ

常設のサーマルカメラ

防犯カメラのような形状で、三脚や、天井・壁などに取り付けられたサーマルカメラです。

良いところ

・黒体を用る事で、誤差が+-0.3〜+-0.2(カメラの種類にて対応)の高精度な検温が可能
・検知距離1.5m〜6mの広範囲の検温が可能
・最大20〜30名(カメラの種類にて対応)
・三脚等で設置すれば、移動も可能
・ハイビジョン映像と、サーマル映像が、同時で映像出力が可能
・SDカードを挿入すれば、録画も可能
・検温としてのみならず、防犯カメラとしても役立つ
・AIレコーダーと接続し、長期録画や、スムーズな検索が可能
・LANケーブルを繋げば、別室でモニタリングが可能

注意点

・三脚等で設置する場合、三脚に人がぶつからない用、工夫が必要(ベルトパーティション等)
・天井や壁に設置した場合、自分での移動が困難
・地震等で黒体や、カメラが動いてしまうことが考えられる

カメラ型(手持ちカメラ

手持ちカメラ

手で持てるタイプのサーマルカメラです。サーモパイル式のハンディとは異なり、サーマルカメラであり、画面が小さいですがサーマル映像を見ることのできるモニタが付いているのが特徴です。

良いところ

・検知距離0.5mほどの検温が可能。サーモパイル式よりは離れた検温が可能。
・移動が可能で、三脚での設置もできる
・SDカードを挿入すれば、サーマル映像のみだが録画もできる

注意点

・検知範囲が常設カメラに比べて狭い
・一人づつしか検温が出来ない
・近ければ体温は高く表示され、遠ければ低く表示される為、測定位置を絞らなければならない。
・サーマル映像のみのため、後での見返しができず中長期で運用するには管理が大変。

 

ハンディ型検温以外は業務用のサーマルカメラの内容となります。

業務用、ここに注目です。

これをごらんの皆様、このような体験はないでしょうか?

たとえば、カラオケBOXや洋服店の検温で

「あれ?私こんな体温高い(低い)の?」

ありますよね?

それもそのはず、なぜならそれは業務用ではないからです。

検証に検証を重ね、開発に何万時間とかけた業務用がやっと辿り着いた誤差が

高精度のハイモデルで+-0.2

ローモデルで+-0.5

なのです。

もしかしたら、「人の命に係るかも知れない」事を、精度が低いもので、

ましてや、「自分の責任」で行うというのは恐怖を感じませんか?

そして、もし自分がかかってしまった場合、家族や友人、恋人等にうつしてしまったら・・・・

もう、そんなリスクを自分や、自社スタッフに押し付けるのは終わりにしたいですよね。

そして、経営者様が考える「コスト」に関してですが・・・・

正直、今(2020.09)価格はだいぶ落ち着いたと思います。

コロナが発生し、緊急事態宣言が出た頃に比べて、様々な機種がリリースされて複数の業者がサーマルカメラ販売に参入してきています。

その中で価格競争もあり、一時期に比べて業務用サーマルカメラの値段は下げ止まった感が個人的にあります。

何より、何より(大事なことなので二回言いました)

会社や店舗、営業所などでコロナが発生してしまった場合のリスクは非常に甚大です。

事務所の一時的な閉鎖を余儀なくされますし、

全従業員やその家族の検査なども必要になり、

関わる方々を感染の不安に陥らせてしまいます。

また検温の常時スタッフの時給や月給なども換算すると。。

個人的には感染症対策を行なっておく(社会的にも対策を積極的に行なっているという前向きなメッセージにもなるのでは)、というのが最善だと考えます。

現時点で企業のコロナ対策としては、

衛生管理(手洗いの奨励や消毒)と合わせて、

発熱者をできる限り複数人がいる蜜空間に入れないようにする工夫が求められています。

真夏も終わり、これからはインフルエンザなど他の感染症も出てきますので、サーマルカメラの需要が再度高まる前に、本格的に導入準備をする良いタイミングです。

購入時の、イニシャルコストを無くすリース契約や、

短期イベントやお試しのレンタルプランなど、

状況に合わせた導入方法が複数出てきているので、

まずは自社の状況を洗い出してサーマルカメラの取扱店に相談してみてください。

価格をホームページ内に出している業者もあるので、予算感も一緒にチェックすると良いでしょう。

 

  • 各種サーマルカメラを取り扱っております
  • サーマルカメラ ミドルエンドモデル
  • 通常価格:822,800円(税込)
  • メディア割(20%off):658,240円(税込)
  • 詳細はこちら

 

業者選定でこれだけは確認した方がいい

その際に気をつけていただきたいのが、実機でのデモ設置ができる業者かどうか、そしてメーカー保証が付いているのかどうか。

というのも、サーマルカメラにそこまで精通していない新規参入者も多く、製品を右から左に流すだけのことも多いのが実情です。

なので、業者選定の際には「実機を現場で試しに設置して色々相談したい!」と伝えてみてください。(実機デモは有償・無償それぞれありますので、お金がかかるのかも確認した方が良いですね。)

通販サイトだけで見るのではなく、販売業者の実際の本業は何なのかも確認した方がいいです。私が最近見たものでは、通販サイトに載っていた会社さんのホームページを探して見てみたら本業が雑貨屋さんという所もありました(カメラに何か異常があった時、どうするんだろう。。)

未曾有の環境ではありますが、売上げをあげたいのは常に変わりません。

だからこそ、選定する側は価格面だけでなく、具体的な導入実績や、実機でのデモも可能か、メーカー保証はどうか、(本業がカメラ屋であれば)アフターフォローも可能かなど確認する必要があるのです。

購入前のデモ設置を勧んで行い、現場の状況をみて最適なプランを提示してくれる業者の方が、後々のアフターフォローもしっかりしていると思います。

ざっくりとサーマルの比較と業者選定の注意点をお伝えしました。

一緒にこの時期を乗り越えていきましょう!!


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